路線

路線概況





王武電鉄は、東京から埼玉県行田に至る本線と、大宮と春日部を結ぶ大宮線、王子と王武大門からそれぞれ枝分かれする荒川線・見沼線の3つの支線から成る。かつては軌道法に基づく軌道区間と地方鉄道法に基づく鉄道区間が混在していたが、現在は全線が鉄道事業法に基づく鉄道路線に切り替えられた。本線は王子から地下鉄副都心線に直通し、トンネルを隔てて東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街駅まで足を伸ばしている。

本線

東京・早稲田と王武行田を結ぶ、全長64.7km・39駅の路線。川口、鳩ヶ谷、大門、岩槻といった日光御成道の宿場をたどり、岩槻以北は西に舵を取り蓮田、菖蒲、騎西といった町を結びながら被服の都・行田を目指す。都内は軌道の特許、埼玉県内は鉄道免許で敷設されており、都心側ほど荒くなる線形からも出自が窺える。ほぼ全区間で10両編成が入線できるが、ホームの延長が困難だった岩槻以南の小駅には8両・6両のみ対応の駅が多く、都心に近づくにつれて短いホームの駅が目立つようになる。純然たる郊外電車であり、北上すると列車本数や輸送人員が先細りする傾向にあるが、末端に行田という都市を抱えるため、全区間で通過運転を行う種別も終日運転されている。早稲田駅構内と騎西町~王武行田間は単線、その他の区間は複線で、王子~王武川口間は地下化されている。

大宮線

大宮から春日部に至る、全長16.0km・11駅の路線。大宮・岩槻・春日部という都市をつなぐほか、JR各線・王武本線・東武伊勢崎線を結ぶ横糸としても機能している。成立の過程上軌道特許で敷設されているが、線形は本線の県内区間と同等である。本線と平面交差する岩槻を境に両線を行き来する列車が一日中運行され、春日部~副都心線方面は東武線との競合を意識した優等列車も設定されている。春日部方は全駅で10両の入線が可能だが、大宮方はホーム有効長が6両の駅も残っており、優等列車は運行されない。全線複線で、大宮駅付近は地下線である。

荒川線

城北の王子と三ノ輪を結ぶ、全長6.0km・9駅の小さな路線。王子電気軌道由来の狭い軌道で、人家を縫うように走る3両編成の電車がいわゆる下町の風景として取り上げられる。かつては早稲田からの直通列車が設定されていたが、副都心線開通に伴い本線が地下化された際に地上に取り残され、現在は他路線と接続する線路を持たない孤立路線となっている。仕業検査・交番検査は線内の荒川検車区が担当するが、重要部検査や全般検査の際はトレーラーで本線の大門工場まで陸送される。

見沼線

王武大門と大崎台のわずか1区間・1.3kmしかない、関東でも随一のミニ路線。車両の長大化により大門検車区が拡張されることとなった際に近隣住民への補償として開業した経緯があり、出自が共通する東京メトロ北綾瀬支線と同じく3両編成のワンマン列車がピストン運行する。王武大門駅では本線の1・2番線ホームに併設された切欠きホームを発着する。

配線図


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在京大手私鉄では唯一複々線区間を有さないものの、王子~岩槻間の上り線は7駅もの待避可能駅を抱え、比較的余裕のあるダイヤ編成が可能である。一方で、1線の早稲田や平面交差の岩槻といったボトルネックも存在し、増発を妨げている。概ね下り線側を1番線としてホーム番号が設定されているが、王子~王武川口は副都心線に合わせ上り線側に若い番号が振られ、蓮田と春日部はそれぞれJR線・東武線からの連番が与えられている。

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